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私の成分

今の私はこうやって出来あがったとさ。

愛の夢をくれ④

私にとっての「楽園」であるBARへ通い出して何度目かに、あの最初に観た常連さん(Nさんとする)に、会うことができた。

あれ・・・?印象が違う・・・。

そう、髪を切っていたからだ。

エレカシの宮本さん似と思ったのは、髪が長めだったからなのか。いや、やっぱり顔は似てるか?

私達は、お店が開く19時過ぎに、よく一緒になった。そこからずーっと日付けが変わるまで飲んでいた。


話は飛ぶが、このお店で知り合った女の子がいた。
看護師さんで、お酒が強くて、サバサバしてて、ボンキュッボン(古)のナイスバディで。
今思えば、この人も私と一緒で、ちょっとめんどくさいタイプだった。
サバサバしているけど、酔うと男性にしなだれかかる。「朝まで一緒に・・・」なんてよくあること。
今なら分かる、心の穴を埋めようとしていたのだ。私達はよく似ていた。

その彼女から、「あたしNさんのトコ、泊まってん」と聞いたときは、軽くショックを受けた。
明らかに彼女はモテるタイプだが、Nさんもそうだったのか・・・あの場所から[お持ち帰り]とかするんだ・・・

「でもさー、一緒の布団で寝たのに、結局なんにもなかったんよ。チューくらいはあるかと思ったのに」

そーなんやーと笑って応えながら、私の内に(負けたくない・・・)という気持ちが湧き上がっていた。

次の日店を訪れると、しばらくしてからNさんがやってきた。
私は敢えて聞くことはしなかった(聞いたってこと黙っててと言われていたし)が、Nさんの方から話しだした。

「この前ウチに〇〇さんが泊まっていったんですよ。ずいぶん酔ってて、帰れないって言うんで」(余談だが、Nさんは大阪生まれなのにベタな関西弁じゃなかったのも勘違いした所以である)
「へ〜、そうなんですか〜。いつも泊めてあげるんですか?」
と意地の悪い気持ちで聞いてやった。

どう答えたか忘れたが、「じゃあ、私も泊めてくれるんですか?」
と彼女への対抗心もあり、嫉妬心も入り混じりつつ、尋ねた。

「もちろんですよ」

(なーんだ、そうなんだ)
嬉しいような、ガッカリしたような。

私は他人に対し、この人はきっとこういう人だろうと、勝手に思い描いている節が大いにあって。

この時Nさんに対しては、良い方に思い描いていたから、(あの子に押し切られて泊めたんだろう)と決め込んでいた。

けれど本当は違っていたし、この先何年も続く【勘違い思い込み人生】のはじまりはじまり…の出来事だった。


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愛の夢をくれ③

仕事が終わり、早速お店の前まで来ると、大きな笑い声が聞こえてきた。

(あ、これは入れない・・・)とビビった私は、帰ろうとしたのだが、(やっぱりもう一回だけ覗いてみよう)と思い、反転して再び店の前まで行き、小窓から中を覗いてみた。

お店は、先程と打って変わって静かで誰も居なさそう。
思い切って重い木のドアを開けた。

「いらっしゃいませ」

カウンターだけの席には、誰も居ない。
私ひとり、あの常連さん達が座っていた場所ではなく、少し入り口に近い席へ座った。

落ち着く・・・
その瞬間から、今も通うその店の「常連」に私も仲間入りした。

週に三度は通うようになり、そこで色々な人達に出会う。
今も繋がる人、もう二度と会えない人、二度と会いたくない人。



その頃付き合っていた既婚者を、その店には連れて行きたくなかった。
さらに、この場所に恋愛を持ち込むことはしない、と決めた。
ここは私の「楽園」だ。
恋愛を持ち込めば、この「楽園」を失ってしまうと思ったからだ。

そう決めたはずの場所で、人生を共に歩む人に出逢うとは・・・なんてよくある話だろう(笑)

酒は人を狂わせる惑わせる。


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マスター、もう一杯!

愛の夢をくれ②

1998年、私は既婚者とつき合っていたが、相手は二つ歳下だった。
不倫ではあったが、全く悪いと思うこともなくつき合っていた。何故なら、相手から言い寄ってきたからだ。

「私は別に好きじゃないけど、奢ってくれるし、毎日(と言っていいほど)会いにくるし、我が儘言って嫌われて、離れていっても全然構わないし」

相手に気を遣わずにつき合えるって、なんて楽なんだろう、なんて自尊心を満足させられるんだろう。2年ほど付き合ったが、体の相性も良かったので、かなり満たされていたと思う。

けれど、決してこの先一緒に暮らしていける訳では無いので(その気もなかったし)、35歳で田舎へ帰る、と心に決めていたのだった。


ある時、美容室のお客様が、私の家から自転車で五分の場所にあるBarへ連れて行ってくれた。

居酒屋か焼き鳥屋にばかり飲みに行っていた私は、Barという場所に興味津々だった。

カウンターの隅っこに座った私達。
楽しく飲んではいたが、私は、自分よりも先に居て、自分よりも先に帰らない、いわゆる「常連さん」というものが存在し、それって羨ましいなぁとぼんやりとその人達を見ていた。
男性ひとり、女性ひとりが隣合って座っていた。その時は(夫婦かな?)と思っていた。


お客さん「ここならひとりでも来れるんちゃう?」
私「うん、頑張ってひとりで来てみるわー」

確か、次の日すぐに行ったんだと思う。
もう記憶はあやふやだが・・・


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お店、写真検索したら出てきた。高架下である。