私の成分

今の私はこうやって出来あがったとさ。

神戸在住になった訳

神戸在住になった訳。番外編3

「なんで一緒に連れて行ってくれなかったの!友達だって知ってるでしょ?!」 それは私の八つ当たり。理不尽な怒りに対して、彼は謝ってくれた。 「そんなに好きだったんだな」 そう言われたが、好き・・・?違うよ、とその時は思ったが、やっぱり男女の好きでは…

神戸在住になった訳。番外編2

私が神戸へ飛び出したのが、1992年10月16日。 この日のほんの少し前に、男友達が交通事故で死んだ。 9月23日だったから、ひと月も経ってなかった。 その子は高校の同級生で、小柄で仔犬のように私の周りでウロウロして、卒業後もよく遊んでいた。告白もされ…

神戸在住になった訳。番外編

ジローさんと出会った時、私には彼氏がいた。この人のことを、心底傷つけたと思っているので、記憶から消してしまいたい。 だが、私が最低のクソ女だということがやっと腑に落とせたので、この彼の事と、それに纏わる出来事を書こうと思う。 仙台から仕事を…

神戸在住になった訳。最終回

その噂は、ジローさんと同じ団地に住んでいるお客様から届けられた。 そのお客様をカットしている間に 色々話しをしていると、その方がジローさんの実家と同じ棟に住んでいるのを知って、好奇心から聞いてみた。 「***って人 住んでますよね?」 「うん、…

神戸在住になった訳。15

段々とジローさんから気持ちが離れていった私。 先生夫婦と仕事をして、家に帰っても気を遣う生活。あの頃はよく 「上を向いて歩こう」を歌って帰ったっけ。「涙がこぼれないように~」ってとこでいつも泣きたくなっていた。昔の住み込みで修行してた美容師…

神戸在住になった訳。14

再び神戸へ戻ることを決めた私に、両親は何を思っただろう。 馬鹿な娘と思ったかもしれない。 今は知る由もない。(怖くて聞けない・・・聞いたかもしれないが忘れた) 再びジローさんと暮らすことは出来ない。 前のように先生の家へ居候させてもらうことになった…

神戸在住になった訳。13

田舎でのんびりした私は、神戸での生活がまるで夢だったように感じていた。 どうしよう、もう帰りたくない。 でも、自分だけ震災や面倒事から逃げてきた罪悪感があって悩んでいた。 私がこのまま神戸へ帰らずジローさんと別れたら、ジローさんの家族や、先生…

神戸在住になった訳。12

地震が起こったのが1月17日。 電車(JR)が通るようになったのは、確か2月25日くらいだったか。 今 思い出そうとしても、何日間どこにいたかとか、細かいところは思い出せない。 電車が通るようになってから、一度田舎に帰って家族を安心させたい、だから帰…

神戸在住になった訳。11

ジローさんの実家にお世話になることになり、私は酷く緊張した。 そこには既に、ジローさんのお父さんかお母さんの知り合いの人が、赤ちゃん連れでお世話になっていた。 赤ちゃんや小さい子やペットがいると、どんな辛い時間や空気も中和される。小さな生き…

神戸在住になった訳。10

今思えば無茶だが、テレビをつけてみたのだ。 すると電気がまだ通っていたらしく、画面が明るく光った。 そこに映し出された光景。 ここは何処だろう? 倒れた阪神高速、煙が上がる街。 バラバラとヘリコプターの音、興奮したアナウンサーの声。 不思議なも…

神戸在住になった訳。9

1995年1月17日午前5時46分。 地響きで目が覚めた私は、「地震!地震!」と叫びながら布団を掴み、為すがままに突き上げられた。(目が覚めた時、何故か 頭は布団の中にあった) 蓋した箱を上下にシェイクされているような振動。 小2の時、宮城県沖地震も経験…

神戸在住になった訳。8

ついにジローさんと一緒に暮らすことを、両方の親と先生に許してもらい、初めて会ったあの年季入り二階建て文化住宅に住むようになった。大家さんにも二人で住む事を告げると、ご祝儀を頂いた。今となっては申し訳ない。 どれくらい一緒に住んだのだろう? …

神戸在住になった訳。7

一度、両親と 新幹線で実家へ帰り、荷物をまとめて再び 神戸へ。 まずは、先生のお宅で寝泊りさせてもらった。 本当はジローさんとすぐ暮らす方がいいと思ったが、先生は昔ながらの人で、美容師の勉強に来てるんだからそこはちゃんとしろと。(余談だが、ずー…

神戸在住になった訳。6

しばらくすると、文化住宅の大家さんから契約した以外の人が住んでるようだがどうなっているのか?とジローさんの親に連絡がいったらしい。大家さんは文化住宅の裏手に自宅があり、私が仕事が休みの日に、窓を開けて掃除したりしていたから、不信に思ったの…

神戸在住になった訳。5

バスに乗り、電車に乗り、やっと着いた仙台駅。そこにはジローさんが待っていた。 その時の記憶はあまりない。 ただ、誰にも何も言わず、手紙も残さずに出て来たことを話すと、手紙は書いておいた方がいいと言われ、「ごめんなさい」と書いた葉書をポストに…

神戸在住になった訳。4

決行の日、私は普段通り仕事をしていた。 その頃の私の実家は縫製工場をしていて、従業員5人と家族で切り盛りしていた。 心の中は嵐だったが、何食わぬ顔をしてミシンに向かっていた。 いよいよ時間が来たとき、私はふらりと立ち上がり、外へと出てゆき、目…

神戸在住になった訳。3

初めての飛行機、初めて神戸。知り合い(今はもう名前さえ覚えていない)が、大阪空港に車で迎えに来てくれた。 スーツを着ていて、(似合わないなぁ・・・)と思ったことを憶えている。 伊丹空港から神戸へ向かう車の中から見た景色はビルだらけで、神戸市内に入っ…

神戸在住になった訳。2

かかってきた電話の相手は、高三の時に知り合いだった男の子で、「今 神戸で仕事してる、遊びに来ないか」というものだった。「えーでもお金ないし」というと、飛行機代を出してくれるという。 ラッキー♪と思って、行く約束をした。一泊だったけど、旅行なん…

神戸在住になった訳

1992年10月16日、22歳の誕生日。 私は宮城の田舎から、神戸へとやって来た。 ジローさんに手を引かれて。 仙台で美容師になるべく働いていた私は、美容師免許を取得はしたが、仕事が嫌になり、仙台から実家へ戻り 家事手伝いをしていた。バブルの終焉時期だ…