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私の成分

今の私はこうやって出来あがったとさ。

神戸在住になった訳。11

神戸在住になった訳

ジローさんの実家にお世話になることになり、私は酷く緊張した。

そこには既に、ジローさんのお父さんかお母さんの知り合いの人が、赤ちゃん連れでお世話になっていた。

赤ちゃんや小さい子やペットがいると、どんな辛い時間や空気も中和される。小さな生き物は 存在だけで素晴らしいんだなぁと、その時初めて知った。

その後、その赤ちゃん達はすぐ出て行ってしまったので、残った私は気まずい日々を過ごすことになった。

 

結婚してもいないのに、相手の実家にお世話になる・・・。

料理も得意ではないし、まだ若い私は、ジローさんの両親と上手く距離を測れずにとても困った。

店が潰れた私は仕事もなく、ジローさんの家でブラブラしていた。(勿論、時々 先生の家や店から荷物を運び出したりはしていた)

ジローさんは逆に仕事(床張り)が増え、家に居ない。

義理の両親と同居という体験を、23歳で経験した私は、結婚なんてまだしたくないという思いを募らせた。

決してジローさんの家族がひどい人達だった訳ではなく、単に私の我儘だ。

決定的に嫌になったのは、うちの父親が 神戸に私を迎えに来ると連絡してきた時だ。

やった田舎に帰れる!と思った私は、そのことをジローさん家族に告げると、
「今 来られても、こちらもおもてなしも出来ないし、泊まってもらう場所もないから来るのはやめて欲しい」と言われ、
「お前はこっちのことを放りだして帰るのか」とジローさんに叱られた。

私は泣きたかったけれど、仕方なく父親に「ごめん、大丈夫だから。来なくていいよ」と告げた。

本当は、父親は大阪だったか関西の何処かに用事があって来たのだ。
多分「ついで」に私を迎えにいこうと思ったんだと思う。相手方に迷惑がかかるなどと、あまり深く考えてはいなかったと思う。
そして 私も同じタイプで、自分の事しか考えない人間だ。

なんで迎えに来ちゃダメなの?
なんで他人の家にいつまでも世話にならなきゃいけないの?
なんでジローさんは私が居づらいの分かってくれないの?

 

この台詞だけで、いかに勝手だったか今なら分かるが、とにかく帰りたくて仕方なかった。
面倒くさいことから逃げたかったのだ。

 

私こそ、ジローさんの気持ちを全く考えていなかった。

 

続*