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私の成分

今の私はこうやって出来あがったとさ。

神戸在住になった訳。15

段々とジローさんから気持ちが離れていった私。

先生夫婦と仕事をして、家に帰っても気を遣う生活。
あの頃はよく 「上を向いて歩こう」を歌って帰ったっけ。「涙がこぼれないように~」ってとこでいつも泣きたくなっていた。

昔の住み込みで修行してた美容師さん達は凄いなぁとも思った。私よりずっと大変だったろう。余談だ。


もう、ジローさんは私の中で救いにはならなくなっていた。

そういう気持ちは伝わるんだろう。
ある日、ジローさんに仕事を終えてからアパートへ呼び出された。

「もう別れよう。俺ら ああいう風に始めたから 最後まで頑張ろうと思ったけど、俺だけが頑張ったってしゃーないやろ?お前にその気がないんじゃな」
そう言われ、私はそうですね、ゴメンなさいと言ってあっさり受け入れた。もう準備は出来ていたのだ。

悲しくもなかった、ただスッキリした。薄情だが、本音だ。

 

始まりは駆け落ちと激しかったが、結局ジローさんを傷つけて、家族や友達を傷つけ迷惑をかけて、恋愛ごっこは幕を閉じた。

今振り返ってみて、何を得たのだろう?

仕事?友達?ではないね。

インディアン・ジュエリー、わたせせいぞうの漫画、アイヌ文化の多少の知識?

強いて言えば経験だろうか?


ジローさんとはそれでおしまい。私が24歳の時だった。

その後も近くに住んでいたから、時々 姿を見かけたりはしたが、どうしているのかは知らなかった。

仕事や新しい恋や、妹が田舎からやって来て同じ店で働いたりと日々忙しく過ぎていった。

ジローさんが結婚したという噂は風の便りに聞いて、良かったなぁ幸せになって欲しいなぁと思っていたのだが、その後に聞いた噂は青天の霹靂だった。

私は29歳になっていた。

 

続*